カチコチ通信おんらいん 20221118
子供の頃、初めて野球のバットを買ってもらったのに、最初に近所のにいちゃんに取り上げられて、キズキズにされた奧村隆充です。
使用貸借というのは聞いたことがありますか。
使用貸借契約
例えば、土地の使用貸借は土地を無償で借りて使い、使い終わったら原状に戻し返還するものです。
土地の使用貸借は契約書で条件をつけることはできるのですが、契約書などで特別期間や借りた目的など条件を決めない限り、貸主は勝手に、いつでも解約することができます。
実際に使用貸借される場面とは
親子間での使用貸借もあります。親戚とか近所の中の良い方から使ってないなら駐車場として貸してよと言われて始まる場合もあります。
もしも賃貸借となると
借り主から貸主が賃料を1円でもらってしまうと賃貸借とみなされます。
先に書いたとおり、使用貸借は原則貸し主が返せといえば、借り主は返さなくてはなりません。しかし、賃貸借は貸し主が返せといっても、借り主の合意なしには返してもらえません。使用貸借と賃貸借が大きく違うところです。
もしも固定資産税を負担してもらった場合はどうなるか
ところで、使用貸借されている土地であっても固定資産税などは所有者に支払い義務があります。
借り主から提案されて、ただで借りているから固定資産税分のお金を借りている方が貸し主に払うこともよくあります。
固定資産税の負担金が、賃料とみなされると賃貸借となってしまうと、貸主が勝手に賃貸借を終了することはできません。
この場合は、固定資産税の負担は、貸主に儲けがないので、お金を負担していますが、賃貸借にはならないようです。
軽いつもりで口約束で貸し始めた場合
本人同士が仲良しであるからはじまった使用貸借であっても、もしも貸し主が亡くなった場合でも使用貸借契約は自動に解消されません。
相続人が貸し主となった場合は、関係がうまくいかなくなることもありますので、口約束ではなくきちんと契約書を交わすべきだと考えます。
(ちなみにきちんとした契約書がなく、借り主が亡くなった場合は自動に解約されます。)
使用貸借はお金を伴わない貸借ですが、ないゆえに借り主が亡くなったあとも相続人が使用を続けた場合にトラブルになることがあります。
自分のものとして使用し始めることです。
賃貸借の場合はお金を払っていますので、借りているということがはっきりしていますが、使用貸借では借りているのか自分のものとして使っているかの判断がはっきりしていないため、長期に渡って借り主が自分のものとして使用し続けた場合時効取得をいわれて奪われてしまう場合もあります。
なので、貸し主はあくまでも無料で貸しているだけであげたわけではないことを主張していかなくてはなりません。
我慢をし続けると財産を取られてしまうこともありますので、それを防ぐためにももしも使用貸借をするのであれば、きちんとした契約書を作成することをおすすめします。