カチコチ通信おんらいん 20221226 賃貸か持ち家か
子供の頃、小学校の図書館の伝記コーナーの本を左から順番に読み漁っていた奧村隆充です。
賃貸か持ち家か
このテーマよく見ますよね。結論はだいだい同じになる結果をよく見ます。
賃貸の家賃を途中で人数が増えるから当然引っ越しますよね!?という前提なら、同じくらいの数字にできます。
しかし、狭いながらも安い賃貸を借り続ければ、当然賃貸のほうが家にお金はかかりません。
調整できる部分と、できない部分があって、比べるときに恣意的に同じくらいになるよう調整されている記事が多いです。なので、記事を書く人がどう数字を使うかによって好きな方に結論を誘導できます。
賃貸は使用した分だけ支払う。持ち家は不動産投資
なぜ、こういうことが起こるからというと、もともとこの比較はできないくらい次元の違うものだからです。
この場合の次元というのは、お金の性質のことです。
賃貸は使用料です。
持ち家をローンで買ったとすると、ローンの返金は使用料でしょうか。
いいえ、ローンの返金は投資に対する費用です。
投資なので、リターン(投資に対する報酬)があります。リターンから差し引くものが費用です。
ちなみに、持ち家のリターンはおそらく、住居費でしょう。借りていれば他人に支払う分の使用料が自分に支払われているということです。
広さに対して家賃に換算した場合、家賃よりも安いはずです。
それが純粋な利益となります。
投資にはリスクがつきもの
持ち家が投資であるならば、必ずリスクがあります。
例えば、地震で持ち家が破壊された場合でも普通の住宅ローンは止まりません。
使えるか使えないかにかかわらずお金は支払わなければなりません。
一方賃貸だった場合は、使えなければお金を支払う必要はありません。
リスクはまだあります。
家を建てたからそのまま一銭のお金を支払わなくても使い続けられるかというとそうではなく、メンテナンス費が一定額かかります。
賃貸の場合はメンテナンス費は家賃に含まれています。
リスクの有り無しから考えても、賃貸の家賃と住宅ローンは全く違うものなのです。
よく住宅メーカーの広告に、家賃をいくら払っても自分のものになりません。損だと思いませんか。持ち家ならば、家賃と同じくらいのお金を返済していけば自分のものになります、というようなものがあります。
お金の種類の説明をしないで出ていくお金の額だけを強調して、話をすり替えています。
家を持ったら一人前はもう過去のもの
今の子育て世代は違っているかと思いますが、私の世代(50歳代)は親から結婚して一人前、車をもって一人前、家を買って一国一城の主になって一人前といわれて育ちました。
以前は、不動産はもっていると値段が上がる財産でした。数年ごとに2倍になりました。
だから不動産を買えというのは正しいアドバイスでした。
しかし今は違います。
人口は減っていく局面で住宅の数は年々余っていきます。
空き家がどんどん増えています。
家が余っているということは価格は下がります。
ほしい人がいなければ需要と供給の関係で値段は下がります。
当たり前のことです。
以前の常識は通じません。
結論めいたもの
持ち家を手に入れることは投資である以上、投資するだけの余裕がある方だけにお勧めします。
いくら金利が上がっても耐えられるくらいの収入のある方。
会社をやめてもローンを支払っていけるくらいの資産を持っている方。
もしくはいざというときに持ち家をうってローンが返済できるくらいの頭金を持っている方。
もしも、頭金を総予算の約2割持っていない方は不動産を買うべきではありません。
もしも、それでも不動産を買おうとするならば、相応のリスクがあることを覚悟しておくことが必要でしょう。