カチコチ通信おんらいん 20221227 リフォームの方が新築住宅を作るより難しい
子供の頃、冬になると手の甲があかぎれで痛かった奧村隆充です。
リフォーム工事をする大工さんは技術が必要
リフォーム工事は新築工事よりも大工さんの技術が必要です。
なぜなら、新築工事は材料を外部から用意してくることが可能なのに対し、リフォームは現場での寸法合わせなど現場で材料から部品を作る細やかな技術が必要となるからです。
腕のいい大工さんが減っているのはなぜか
昔は現場で木材を切り、かんなで木材の表面を仕上げ、ほぞを切り組み立てていきました。
今の大量生産している住宅は木材はプレカット工場で設計どおりに仕上げられ、現場ではそれをくみ上げる作業をするだけになりました。
材料から家の部品にするまでの工程の技術はなくてもできるようになりました。
なので、高い技術を持った大工さんは必要なくなりました。
必要なのはきちんと仕事をするまじめな人で研修を受けて作業できる人で、作業ができる人の数は多くなりました。
仕事に対してその仕事をしたい人が増えたので、賃金が安くても、条件が多少悪くても引き受ける人が増えました。
大工の技術は本当は多岐にわたり一人前になるのに時間がかかるのでその技術のポテンシャルに応じた賃金がしはらわれていました。
不幸なことに、そうやって、技術力がそれほど高くない人でもできる大工の工事が増え、賃金の安い大工さんへ仕事がふられるようになり一流の技術を身に着けた賃金の高い大工さんは仕事が減ってしまいました。
今後は、おそらく既存住宅を利用することが望まれ、リフォームの需要が増えるように思う
空き家対策の仕事をするにつけ、古い建物でも壊して建て替えるばかりではなく、古くても壊すには惜しい建物があることがわかってきました。
また、既存の建物があった方が生きる不動産があることもわかってきました。
これらを生かすには、既存建物をリフォームする大工さんが必要です。
リフォームが安い仕事ではなく、高い技術が必要なことが認めれ、適正な賃金が支払われる正常な市場になるといいと思います。
また腕のいい大工さんが増えるとよいと思います。