2023.02.21 賃貸不動産管理会社のグレーな立場
子供の頃、太陽がなんだかまぶしかった奧村隆充です。
賃貸住宅の貸主の代わりに滞納者と交渉できるのは弁護士だけ
賃貸不動産の管理会社の重要な役割の一つが、賃料を毎月確実に集金することです。
賃借人の中に一定の割合で、賃料を期日までに支払わない方がいます。
忘れている方がほとんどで、忘れてますよと連絡すればほとんどの方は支払っていただけます。
まれに、お金が本当になくて支払えない方がいます。
管理会社はどうするか。
支払いの意思の確認をまずします。支払う気があるのかないのか。
ないのであれば、退去してもらいます。
支払う気があり、しかもすぐには支払いができない場合は、いつ支払うか期日を聞きます。
それで、支払ってもらえないときは、弁護士に相談するということになります。
弁護士法第72条
弁護士法では 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。
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もしも、滞納者が支払いについて拒否しているが退去もしないという状況に陥りそうな場合で賃貸不動産管理会社が支払い条件について話し合いに入ると、弁護士法違反となる可能性があります。非弁行為となるかもしれないからです。
貸主からのお手紙を渡すだけであればおそらく違反とならないと思いますが、違法なのか合法なのか非常にグレーな部分です。
先ほど支払いしないと返答した時に退去してもらいますとさらっと書きましたが、これも、貸主自身の判断でやらない場合は非弁行為となる可能性が高いです。
あくまでも貸主自身が行わなければなりません。
一番重要な仕事ですが、単独でできないというところがグレーなところです。
管理会社とは
貸主から依頼された仕事を貸主に代わって行う仕事です。
修繕、清掃なども貸主からの依頼で行っています。
貸主からの依頼がなければ行うことはできません。
貸主が借主に対して契約しているサービスを代行して行っています。
借主から見ると管理会社とはホテルのサービスのように感じているかもしれませんがそれは間違いです。
借主からの要求を直接受けることはできません。